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聴覚過敏の子のためのイヤーマフは、すっかりおなじみの道具。と思っていると大間違いなんですね。
合理的配慮について前文部科学省特別支援教育調査官に取材した記事がYahoo!ニュースに掲載されたのが、数日前。記事に次のようなコメント(いわゆるヤフコメ)がつきました。
子どもが聴覚過敏があり、病院から学校でイヤーマフを着けたらと勧められ、担任の先生に相談したら、明らかに困惑してました、ベテランの支援担が。やっぱり合理的配慮といえど、前例がないと受け入れてはもらえない。聴覚過敏やイヤーマフがもっと認知されたら良いなと願います。
ヤフコメというのは、ネガティブなものが多く、私も以前、別の記事で的外れは批判をされたことがあるのであまり読まないようにしています。
でも、上記のコメントはおそらく本当のことでしょうし、親の切実な思いも伝わってきます。この方に非はないと思いますが、イヤーマフを申し出るときにひとつだけ留意しておくべきことがあります。
申し出るタイミングです。
「聴覚過敏の子にイヤーマフ」は、地域によってはじつはそれほど周知されていません。周知されていないと、どうなるか。あの子だけ「音楽聴いている」と授業参観や運動会で保護者に思われてしまうことがあるそうです。クラスの子どもたちにしても「あの子だけ、なぜ特別扱い?」というお馴染みの問題が発生して、クラスがざわつきます。
コメントを寄せてくれた方の状況はよくわからないので、なんともいえませんが、周知されていなければ、周知のための、つまりまわりの理解を得るための時間が必要になってきます。
たとえば、運動会の前日に「うちの子、大きな音が苦手だからイヤーマフつけます」と申し出たとします。先生としては、せめて運動会の練習のときに申し出てほしかったと思うかもしれません。そうすれば、先生は子どもたちに「〇〇さんは、大きな音が苦手な聴覚過敏だから、イヤーマフをつけます」という説明ができます。
運動会を見学した保護者が「あの子だけ音楽聴いていた」と言ったとしても、子どもが「あの子は、感覚過敏だから」と伝えることができるでしょう。これが周知です。
もうひとつ。断られても引き下がることなく、話し合いをするのが合理的配慮のルール(建設的対話)です。
コメントで述べられている、ベテランの支援級の先生が「明らかに困惑」していた理由は、よくわかりません。もしかしたら「周知」の時間がほしかったのかもしれません。だとしても、「前例がない」は合理的配慮を提供しない理由にはなりません。なぜ、イヤーマフが使えないのかを聞いても良かったのではないかなと思います。
なぜダメなのか、どうすれば良いのかをお互いに話し合うのが合理的配慮です。この点が、それこそ「周知」されていない場面が結構ありますね。
トビラコ店主
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トビラコ店主が取材した記事が小学館子育てサイトHugKumに掲載
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