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「こころのケアの9割5分は素人によってなされている」
臨床心理士の東畑開人さんは、新刊『雨の日の心理学』(東畑開人著 角川書店 2024)で、こう述べています。
たとえば、風邪を引いたときに、治療をするのは医師ですが、仕事を代わってくれる同僚がいて、ゆっくり休めるように世話をしてくれるのが家族だったりします。医師以外は、素人で、ほとんどは素人のケアによってその人は回復するというのです。
これは、こころのケアのたとえ話です。
ちょっとした迷いや悩み、愚痴を聞いてくれる人がいて、その人から良きアドバイスをもらえることもあって(アドバイスした側は気づいていない)、それがケアになっていると著者は別の著書で語っています。
日常的に「こころのケア」の役を担っているのが、友人知人、職場の同僚や上司等身近な人となるわけです。この人たちは特に「こころのケア」をしているつもりはなく、もちろん無償。
じつは、親の会もまた「こころのケア」の場にもなっているのではないかと思います。以前、親の会の元会長にこんな話を聞きました。
「最近は、親の会を敬遠する人が多く、情報はネットで入手できるし、会に参加するのは面倒という人たちが増えました。でもね、(会に入ると)ネットでは探せないお得な情報がいち早く手に入りますと言って誘うんです(笑)」
もちろん、お得情報は本当のことです。障害児に慣れている地域のクリニックはどこにあるかであったり、地域の学校の特別支援級や通級の動向や先生の評判であったり。そこに住んでいるからこその情報です。
でも、お得な情報を共有しつつ、他では吐けない愚痴や悩みを共有できる場になっていると元会長は言います。それが、まさに素人ならではのケアなわけです。
わざわざ高いお金を払ってカウンセリングに通わなくても、その手前でまわりの人のケアに私たちは救われていたり、知らずに救ったりしているのかもしれません。
逆にいうと、弱音を吐いたり、愚痴をこぼしたりできない人は、周囲のケアが受けにくい人でもあるわけです。そしてカウンセリングに通う。カウンセラーが繁盛する社会は、弱音を吐けない社会でもあるのかなと思ったりしました。
こころのケアの9割5分は素人が担っているよと、気づかせてくれる東畑さんは、カウンセリングの本質を私たちに伝えてくれます。素人の手に負えなくなった時に初めて専門職の出番で、それが「雨の日」というわけです。
トビラコ店主
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トビラコ店主が取材した記事が小学館子育てサイトHugKumに掲載
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