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2024.09.17

トビラコへようこそ

~店先で、ちょこっとおしゃべり~

お試しいただける商品をまとめました、こちらです。
 

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おせっかいには、助かるおせっかいと余計なおせっかいの2種類あるという話。
 
雨の日の心理学 こころのケアがはじまったら』(東畑開人著 角川書店 2024)で知って、なるほどと思ったのがおせっかいの話。
 
1.ニーズを満たすのが助かるおせっかい。ニーズ以外のものを押し付けるのが余計なおせっかい。

2.環境を変えるのが助かるおせっかい。本人を変えようとするのが余計なおせっかい。
 
1と2は絡み合っているように思いますが、特に2は学校がやりがちですよね。その子を変えるのが「教育」と思っている人たちも結構いますからね。

 子どもに限らず、人ってそう簡単には変わらないけど、環境が変わると変わるということは往々にして起こります。

とてもわかりやすい例をご紹介します。
 
私の知人でADHDの男性がいます。モノをなくすことが尋常ではなくて、なくすたびに買っていたので借金を重ねることになり、ついに破産寸前に。法的な手続きをとって自己破産しなくても済む借金の整理をしました。
 
借金が軽くなったからといってモノをなくすことは相変わらず。そこに加えてこだわりもあるため、気に入ったペンを見つからないと、遅刻するとわかっていてもペンを探し続けてしまいます。彼はライターです。取材相手を待たせてまでお気に入りのペンを探すことをしてしまうとことになり、ライターとしては仕事を失うリスクがかなり高くなりました。
 
余談ですが、ライターで発達障害の特性からくる遅刻常習の人は意外といます。取材相手の大物女優を待たせて仕事を失った人を知っています。
 
遅刻するなといっても、その人なりの事情があります。最初の男性の場合はモノをなくすこと、お気に入りのペンへのこだわりが遅刻の原因となっていました。
 
ところが、男性は結婚を機にモノを失くさなくなりました。結婚相手が、「環境を変える、助かるおせっかい」をしてくれたからです。
 
妻となった人は、収納されているモノがわかるように彼の引き出しすべてにシールを貼りました。たとえば下着を収納しているタンスなら「パンツ」「長袖シャツ」「半袖シャツ」「靴下」といったように引き出しごとにシールを貼ったのです。モノを収納する場所(収納されている場所)がひと目でわかるようになりました。
 
男性に聞くと、結婚してからモノの管理がすごくラクになったと言います。お気に入りのペンをいつまでも探し続けるということもなくなったのでしょう。それもあってか、いい仕事をしています。
 
妻なので、「おせっかい」というのとは少し違いますが、夫婦や親子だとつい相手を変えることを考えてしまいます。
 
「モノをなくすな」、「遅刻するな」というのは、本人を変えようとしているわけです。でも環境を変えることで、なくしたり、遅刻しなくてすむようになることもあり、本人はとても助かるわけです。
 
私はどちらかというと、余計なおせっかいをしてクヨクヨと思い悩むことが多い人間です。東畑さんの「助かるおせっかい」の定義を心のメモ帳に書き込むことで自分なりの基準ができたように思います。それでも、「余計なおせっかい」をしてしまうだろうなとは思いますが。

 

トビラコ店主

 

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トビラコ店主が取材した記事が小学館子育てサイトHugKumに掲載
 
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小学館子育てサイトHugKumに佐藤義竹先生のインタビュー記事が掲載されました。
 

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