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『境界知能の僕が見つけた 人生を楽しむコツ』(なんばさん著 フォレスト出版 2024)は、1991年生まれの「境界知能」当事者が書いたライクハック本です。
IQ70~85未満は境界知能とされ、著者はIQ84。まさに境界の際に立っている状態です。
本書は境界知能の当事者むけに書かれた本ですが、境界知能(と思われる)の子をもつ親にもおすすめです。
著者は『ケーキの切れない非行少年たち』(宮口幸治著 新潮文庫)を読んで、自身が境界知能であることに気づき、生きづらさの原因を知るようになります。
『ケーキの切れない非行少年たち』は、発達障害の専門家たちは必ずしも評価しておらず、むしろ批判されている本です。でも、この本で救われたという当事者がいることに目を背けてはいけないと思います。
著者もまた救われた当事者のひとりです。『ケーキの切れない非行少年たち』に書かれていた、以下が自分に当てはまることに気づいたからでした。
・認知機能の弱さ
・感情統制の弱さ
・融通の利かなさ
・不適切な自己評価
・対人スキルの乏しさ
・身体的不器用さ
著者は職場でさまざまな失敗をしながら、自分には絶対に向かない仕事に気づきます。これもまた、自身の境界知能からくることであることを知り、むしろ安心します。
余談ですが、発達障害や境界知能の人は、自分に向いている仕事よりも、向かない仕事、絶対にやってはいけない仕事を早くから知っておく方が大事かなと思います。IQ85の弟は、マルチタスクが全くダメでしたが、マルチタスクを要求される職場を特別支援学校の先生から紹介されて大変でした。キレてしまうこともあり、おそらく、職場では「要注意人物」になっていたのではないかと思います。
本書を読むとライフハックのひとつに「環境調整」があることがわかります。
小さなところでは本に集中できるために必要なリーディングトラッカーの活用であり、大きなところでは冷蔵庫は買うよりもレンタル、洗濯も高価なドラム式よりもコインランドリーの方が効率よく経済的であることに気づきます。
一人暮らしの冷蔵庫のサイズは意外と難しく、いろいろ試してレンタルに。またドラム式は手入れを必要とするため、細かな作業が要求される手入れが苦手な著者はコンランドリーを選びました。家族がいる場合は当てはまらないかもしれません。「自分にとって快適」であるように調整することが「環境調整」です。
また、集中したい時にはスマホを靴箱に入れて視界から消すことであったり、YouTubeを見られないようにするためにパソコンをカバンに入れてタイマー付きの南京錠をかけたりしています。これもまた、ライフハックであり環境調整です。
環境調整に正解はなく、自分自身をよく知ることでうまくいくことが本書を読むとわかります。
まだまだ、ご紹介したい項目があるのですが、とりあえず今回は「環境調整」だけお伝えしました。
トビラコ店主
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トビラコ店主が取材した記事が小学館子育てサイトHugKumに掲載
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