トビラコへようこそ
~店先で、ちょこっとおしゃべり~
お試しいただける商品をまとめました、こちらです。
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知的障害のある子(人)が、「自分で選ぶ」ことに慣れておらず、大人になっても誰かに決めてもらう場面が多いと、ベテラン支援員に聞いたことがあります。
支援員のエピソードは強烈でした。
30代の知的障害のある男性と食堂に入った話です。支援員が彼にメニューを見せながら「何を食べますか?」と聞いたところ、彼は「あなたが決めてください」と言ったそうです。「いえ、食べるのはあなただから、あなたが選んでください」と支援員が答えたところ、彼は30分考えて、ようやくサンマ定食を選びました。
この話がとても印象に残っていたので、コミュニケーションゲーム、すきなのどっち?を、筑波大附属大塚特別支援学校の佐藤義竹先生から製品化したいと言われた時にはすぐに受けました。
すきなのどっち?は、カードに描かれているイラスト(アイスクリームとチョコレートなど)のどっちが好きかを選び、なぜ好きなのかを答えるという単純なゲームです。佐藤先生が自作して使ったところ子どもたちからとても評判が良かったそうです。
「知的障害のある子が自分で選べるように」という考え方を、そして特別支援学校の教材を多くの人に知ってほしくて、クラウドファンディングという手法をとりました。結果、140人余りの人に賛同していただき成功したのですが、意外だったのは「選ぶ」ことが「比べる」ことにあたり、あまりよろしくないと考えているい人もいたことです。
私の説明不足が大きかったとは思いますが、比べて優劣をつけるということはよくないというのはよくわかります。ただ、私たちは日常的にいつも選択しながら生活しています。今日何を食べるのか、何を着るのか、休日は家にいるのか出かけるのか...すべて選択しながら生きているわけです。でもいつも保護者や支援員に(たとえ良かれと思っていたも)決められてしまうと、「自分で選ぶ」という機会がなくなります。誰かに選んで決めてもらうのがあたりまえになってしまうと、自分で選べなくなってしまわないでしょうか。冒頭のサンマ定食を30分かけた選んだ男性のように。
ただ選択の幅が大きいと選びにくく、選択肢の幅を究極の二択にしたのが、すきなのどっち?です。カード2枚使って選択肢を4つにしてもいいのです。
「比べる」と「選ふ」は似ているけど、違うよ、ということを定期的にお伝えしています。
トビラコ店主
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トビラコ店主の連載が始まりました
トビラコ店主が取材した記事が小学館子育てサイトHugKumに掲載
障害のある子の困り感を解決する「合理的配慮」とは?スペシャリストに聞いた、うまくいく心構えと実践手引き
すきなのどっち? きもち・つたえる・ボード トライゲーム やってみたいのはどっち?を考案した佐藤義竹先生の『自信を育てる 発達障害の子のためのできる道具』(小学館)、好評発売中!
小学館子育てサイトHugKumに佐藤義竹先生のインタビュー記事が掲載されました。
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