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学習障害のなかでも、最も理解されていないのは算数障害(ディスカリキュア)かもしれません。
算数障害とは、知的な遅れがなく他のことはできるのに、数の概念など数にまつわる能力が極端に低い障害です。算数は、数を正確に数えたり、瞬時に数の大小がわかったり、かけ算九九を暗記したり、公式を覚えて問題を解いたりする能力が必要です。そしてこれらの能力は脳の複数のネットワークの働きによるものです。それぞれの能力が、脳のどの領域の働きによるものかまで、fMRI(脳の活性化した部位がわかる機械)で明らかになっています。
たとえば、4枚のクッキーを見て瞬時に4枚とわかるのは「頭頂間溝」と呼ばれる溝の活動によるものであり、この活動が低下しているディスカリキュアの子は、4枚のクッキーを1枚ずつ数えて、はじめてクッキーが4枚であると気づくそうです。
見てすぐに数がわかるようになるためには、幼児期の訓練が有効であることまでわかっています。余談ですが、小学校受験などの教室で、おはじき3個や花瓶の花3本を数えずにとらせたりするのは、数の感覚を育てているのでしょうね。
暗記や暗算、文章題の問題を一時的に記憶にするワーキングメモリの働きが不十分だと、算数の問題を解くのに支障が出てしまいます。
ワーキングメモリは、一時的に記憶したものを入れておく引き出しのようなもの。その引き出しが小さければいくら入れてもはみ出してしまいます。だとすれば、無理に引き出しに入れる必要はないのではないでしょうか。そもそも、暗記は本当にそんなの重要でしょうか。かけ算九九がどうしても覚えられない子はいます。かけ算の意味が理解できれば、九九表を見ていいのではないかと思います。暗算にしても、足す・引く・かける・割るの意味が理解できていれば、電卓を使っても構わないでしょう。実際、算数の教科書に記載されている電卓マークは、計算に時間をとられたり負荷をかけたりしないためでもあります。
文章題の問題を覚えておくことができずに解けないなら、文章を絵や図にしてもいいわけです。
算数障害の子は、他の子と同じ学習法では無理があります。合理的配慮が必要なところですが、ハードルが高いでしょうね。でも、暗記が苦手であること、そしてそれは努力ではどうにもならないことや、文章題を絵解きすると理解できるようになることなどを先生に話してみてはいかがでしょうか。
トビラコ店主
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朝日新聞EduAで
トビラコ店主連載中
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