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2025.02.11

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さんま定食を選ぶまでに30分かかった人の話を、ここで何回かしたことがあります。東京都で知的障害、発達障害の大人を支援している人から聞いた話です。もう10年近く前になります。

施設に入所している男性と食堂に入った支援者が、メニューを男性に見せながら「何にしますか?」と聞いたところ、「あなた(支援者)が決めてください」と男性は答えました。すると、支援者は「〇〇さん(男性)が食べるのだから、〇〇さんが決めてください」と男性に促したところ、30分くらい考えて、ようやく男性は「さんま定食」を選びました。

30分待ち続けた支援者も辛抱強いなと感心したのを覚えています。が、30分待つこともまた支援の一つだったわけです。

なんの支援かといえば、「意思決定支援」です。「意思決定支援」は、この数年、福祉界隈でクローズアップされていますが、この支援者はもう10年も前から行なっていたわけです。というか、力のある支援者はとっくに「意思決定支援」をしていたのかもしれません。

意思決定支援について、全国手をつなぐ育成連合会常務理事の又村あおいさんが情報誌「手をつなぐ」2025年の1月号と2月号で語っていて、これがとても興味深い内容です。

かいつまんでお伝えすると、障害児者が意思決定に至るまでには次のようなステップが必要だというのです。

1)年齢に応じた体験や経験

2)決めるための情報処理

3)決定した意思の表出(言葉だけとは限らない)

1)と2)は、知的障害児者がとても苦手。

まずは1)ですが、年齢に応じた体験や経験が少なければ、決めようがありません。冒頭のさんま定食を選ぶのに30分かかった男性は、いつも施設で供された料理を食べていたため、自分で決めた経験がなかったわけです。だから「自分で決めてください」と言われて困ってしまったのでしょうね。

意思決定で、大事なのは年齢に応じた体験や経験という「年齢に応じた」というところがポイントだと思います。

よく、知的障害、発達障害の子の精神年齢が低いといわれるのは、年齢に応じた体験や経験をさせてもらっていないこととも関係しているのかもしれません。もちろん、それだけではないでしょうが。

2)も1)と関連しているように思います。体験や経験があって初めて情報を集めることができるし、うまく意思決定に活かせるのです。そして1)と2)を阻んでいるのが、支援者であったりすると、又村さんは話します。子どもに良かれと思っての支援や先回りが、子どもから体験や経験から学べる機会を奪っている。じつは、障害あるなし関係なく、子育て全般にも言えることですよね。ただ、障害のある子の場合、より先回りが発動しやすいのだと思います。
 

トビラコ店主

 

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朝日新聞EduAで

トビラコ店主連載

発達凸凹と向き合う 道具で「苦手」は消える

トビラコ店主が取材した記事が小学館子育てサイトHugKumに掲載
 
  
障害のある子の困り感を解決する「合理的配慮」とは?スペシャリストに聞いた、うまくいく心構えと実践手引き
 

 
すきなのどっち? きもち・つたえる・ボード トライゲーム やってみたいのはどっち?を考案した佐藤義竹先生の『自信を育てる 発達障害の子のためのできる道具』(小学館)、好評発売中!

トビラコ 書籍 『自信を育てる 発達障害の子ためのできる道具』
 
小学館子育てサイトHugKumに佐藤義竹先生のインタビュー記事が掲載されました。
 

発達障害の子どもたちの「苦手」や「できない」が私を成長させてくれた。子どもを診断名でラベリングしないで!【筑波大学附属特別支援学校・佐藤義竹先生】

 

 
発達障害の子の「できる」を引き出す学習道具ベスト5 筑波大学附属特別支援学校の先生が教えます!
 

  
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