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強い人ほど弱みをみせることができて、弱い人ほど弱みをみせたくない、ということがあるような気がします。
『新増補版 一緒がいいなら なぜ分けた 特殊学級の中から』(北村小夜著 現代書館 2025)に登場する特殊学級(今の特別支援学級)出身の男の子がそうです。
本が書かれた1980年代は、望まないまま特殊学級に追いやられる子が少なくなく、今よりも特殊学級への偏見が強かった時代です。今でも、もちろん偏見はありますが、当時は特殊学級の子が普通学級に戻ると壮絶ないじめが起きたり(これも、今でもあるかもしれませんね)、また特別支援学校の建設に地域住民から猛烈な反対運動がおきるほどでした(これは、さすがに今はないと思いたい)。
特殊学級を出たことを隠したままコックさんとして就職した男の子は、職場でわからないことを聞くことができませんでした。調理場独特の符牒(ふちょう)の意味がわからず、でも聞くと「特殊学級出身だから」と思われるの怖くて聞けなかったのです。男の子は新人です。聞けば、あっさり教えてくれたでしょうに。
そんなとき、男の子は自分のかつての教師である北村小夜さんに聞きに行きました。メモ帳にひらがなで書かれた符牒は、北村さんにもわからなかったようです。
男の子にとって特殊学級出身は自分の弱みであり、わからないことを聞くことで弱みをさらけだしてしまうという思いがあったのでしょう。
弱みをみせられる強い人には、「ひとこと聞けばすむ話じゃないか」と思われるでしょう。でも弱みを見せたくない弱い人は、これができないのです。だから、わかっているふりをしてしまって、のちのち大きなトラブルになったりしてしまいます。これ、軽度知的障害や境界知能あたりの人にとって、とても根深い問題になんですよね。
少なくとも家庭で子どもに聞かれて「そんなこともわからないの」(わからないから聞いている。もしかしたら教え方が悪いのかも)とか「何回言ったらわかるの」(何回も聞かないとわからない)あたりは禁句でしょうね。
トビラコ店主
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トビラコ店主が小学館子育てサイトHugKumに執筆しました。
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