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デジタル教科書が、2030年度から導入されると文科省が先日発表しました。
といっても、紙の教科書がなくなるわけではありません。紙かデジタルかを教育委員会が選択できるようにするようです。この辺りの正確な情報をきちんととれていませんが、いずれにしてもデジタル教科書が正式な教科書となるわけです。
デジタル教科書は、特別支援が必要な子にこそ使ってほしいツールなんですが、このことがどのくらい伝わっているのかちょっと心配です。
こちら、デジタル教科書の開発に関わった筑波大学附属大塚特別支援学校の佐藤義竹先生に取材した記事です。
「わかった」「できた」が増えるデジタル教科書。「見る・聞く・読む・書く」に課題のある子は活用をすすめる理由
デジタル教科書には、教科書を理解するためのさまざまな手立てが搭載されています。
文字の拡大、漢字のルビ、読み上げ、画面の反転(バックを黒にして文字白抜きして読みやすくする)、読んでいる箇所のハイライト機能など音声教材でできることはもちろん、動画を使ったり、書き込みを保存したりできます。
動画の役割は大きく、教師の説明だけでは理解できない子でも、動画で繰り返し視聴することができます。音声の速度も、自分のが聞きやすい速度に調整できます。つまり、動画ひとつとっても、自分のペースで理解しやすい方法で学ぶことができるのです。
動画は忙しい先生の手間を省くこともできるはずです。それなのに、デジタル教科書に否定的な教師が多いのは意外です。
デジタル教科書を使うようになってから学力が低下したため紙の教科書に戻す、という北欧の事例も影響しているかもしれません。
でも、学力低下の原因をデジタル教科書にだけ求めてしまうのは、ちょっと単純すぎないかなと思っています。
日本がそれまでの「詰め込み教育」から「ゆとり教育」に舵を切った2000年代初め、世間では学力低下不安が叫ばれました。私が教育雑誌の編集者をしていたのは、ちょうどこの頃です。学力低下の要因となるものをいろいろな先生に取材しました。
その結果、学力低下の要因は教科書だけに求められるほど単純ではなく、学校のカリキュラム、その家庭の生活習慣や経済的な問題も複雑に絡んでいると思いました。
なので、デジタル教科書で学力が下がるという話よりも、少なくとも特別支援が必要な子にとってデジタル教科書で「学ぶ手立てが増えた」と考える方がいいかなと思います。
国が一度決めたことは、容易に後戻りはしないでしょう。文科省はここに至るまで10年以上の時間をかけているはずです。デジタル教科書へ移行の前段階として、教科書を音声化した音声教材があります。
音声教材は文科省が6つの団体に委託して教科書をデジタル化しています。6つの団体のひとつであるアクセスリーディングの近藤武夫先生に取材した際、近藤先生は「音声教材は、デジタル教科書に移行するまでのつなぎ」と話していました。
デジタル教科書は、学びの多様性の中のひとつのツールという考えてほしいし、必要としている子が確実にいることを先生たちにもわかっていただきたいですよね。
トビラコ店主
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