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境界知能とは、知的障害と定型発達の間を指し、IQ70〜85の間に位置するとされています。
もっとも支援が届きにくく、福祉の制度からもこぼれ落ちてしまうのが境界知能です。日本では約1,700万人、全人口の約14%、35人学級だとクラスに5人はいる計算になるそうです。
以上の数字は『実践 みんなの特別支援教育 5月号』(Gakken)より引用させていただきました。この雑誌の今月号の特集が「境界知能児者の課題と支援〜学校現場だからできること〜」です。たいへん、興味深く読みました。
特集は、学校現場の先生や境界知能の就労に関わる専門家たちによる鼎談です。
まず、私が衝撃を受けたのは老年期の境界知能の人の中には年金の存在を知らず、手続きも知らない人がいるということでした。
老年期とは60代以上を指すと思われます。その年齢まで年金について教えてくれる人が、まわりにだれもいなかったのでしょうか。家族はどうしていたのでしょうか。
境界知能の子(人)のやっかいなところは、なんとか頑張れば定型発達並みのことができてしまう、あるいはできているようにみえてしまう点です。それで支援が届かないわけです。
通常級に在籍していれば、境界知能の子は「勉強ができない子」「怠け癖のある子」くらいのみられ方で、特に支援が必要とか、その子のためにわかりやすく教えようとする先生はあまりいないのが現状だと思います。
私は15年くらい、教育雑誌の編集をしていましたが、学校の先生の口から「怠け癖のある子が何人かいる」と何度も聞いたことがありました。今から思えば、学級に5人いるといわれる「境界知能」の子どもたちだったのかもしれません。
本人たちは一生懸命に勉強しているのにわからない。それなのに「怠けている」と言われ続けたら、自己肯定感が低くなってしまいす。ほんとうは、わかるように教えてもらっていないだけなのに「自分はダメな人間」「どうせやってもわからない」と思い込まされ、勉強をしなくなるという悪循環に陥ります。
弟がまさにIQ85の境界知能だからわかるのですが、境界知能の子(人)は、勉強嫌いなわけではなく、本当は勉強したい子(人)もいます。現に弟は学校ではろくに勉強を教えてもらえなかったのですが、放送大学に入って自分の好きな分野の勉強をしました。
鼎談では、学力よりも生活スキルを身につけることが大事で、勉強以外のことで自己肯定感をあげることをすすめていました。もちろん生活スキルは大事でしょう。年金の存在も手続きも知らなければ困りますからね。
でも、その子の知識欲を満たすような教え方ってできないものなのかなと思ってしまいました。
境界知能であっても知識欲(知らないことを知りたい、知る喜びを味わう)はあるんです。このことだけでも、学校の先生には知っておいてほしい。
トビラコ店主
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