トビラコへようこそ
~店先で、ちょこっとおしゃべり~
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ここから先は、トビラコ店主の店先おしゃべりです。
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重度知的障害の妹の願いは、とてもささやかです。
ファミレスでハンバーグを食べること。
スーパーマーケットで買い物をして、セルフレジで商品のバーコードをピッとかざすこと。
そして、私と一緒にお風呂に入ること。
どれも本当にささやかな願いです。
離れて暮らしていますが、私が実家に帰った時には、なるべくこの三つを一緒にやるようにしています。
「叶える」という言い方は少し偉そうですが。
敬愛する故・佐々木正美さんは、子どもの願いを叶えることの大切さをよく話していました。特に発達障害の子どもたちについてです。
願いを叶えるというのは、その子を受け入れるということなのかもしれません。
先日、SNSで胸をえぐられるような話を読みました。
お金持ちの家庭の子どもたちが通うインターナショナルスクールで働いている先生の話です。
その子どもたちが何に飢えているのか。
それは高価なおもちゃでも、特別な体験でもありませんでした。
話を最後まで聞いてもらうこと。
横断歩道を渡り終えた時に、向こう側で振り返ってもらうこと。
授業が終わったら、高い高いをしてもらうこと。
そんなことでした。
なんてささやかな願いなんだろうと思いました。
そして、そのささやかな願いすら満たされないほど飢えていることに胸が詰まりました。
子どもの願いというのは、案外そんなものかもしれません。
宿題が終わったら冷蔵庫のアイスを食べること。
買い物の帰りにガチャガチャをすること。
それに比べると、大人の願いはずいぶん大きい。
いい学校に入ってほしい。
いい会社に入ってほしい。
私が連載を担当していた先生は、
「子どもに教えなければならない大切なことは、心から楽しいと思える時間を持ち、幸福を実感できること」
と話していました。
幸福だと感じる瞬間を知らないまま大人になると、何を手に入れても満たされないのかもしれません。
子どもを受け入れるというと難しく聞こえます。
でも案外、
「いいよ」
と、ささやかな願いを聞いてあげることなのかもしれません。
全部でなくていい。
何かひとつでもいいから。
トビラコ店主
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