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暗黙の了解、暗黙のルール。発達障害の子が苦手とする領域です。
それなのに、あまり教えてくれる人がいないのは、いつのまにか身につけてしまって教えるまでもないと多くの人が思い込んでいるからです。だから「暗黙」と呼ばれるわけです。
たとえば、人前で鼻をほじったりしない。教室での着替えはいきなり素っ裸にならない。男子はズボンを下げてお尻丸出しで小用(おしっこ)はしない。これらは、周囲の視線を意識した暗黙のルールです。
暗黙のルールは、周囲の状況によって変わります。家族の前でなら問題にならないことも、教室や電車の中だと奇異に見えることがあります。家族の前でよくて、他ではなぜダメなのか。暗黙がわからないとわかりません。
暗黙のルールを教えてあげられるのは身近な家族です。そして「暗黙」に気づいた先生です。
教室での着替えにも暗黙のルールがあると知ったのは、筑波大学附属大塚特別支援学校を取材したときです。
「すきなのどっち?」でおなじみの同校の佐藤義竹先生が、着替えの手順の絵カードを見せてくれました。
女子の場合
体操着を脱ぐ→ブラウスを着る→スカートを履く→体操着のズボンを脱ぐ→(制服の)リボンを着ける→ブレザーを着る
家なら、全部脱いでから着替えてもいいのかもしれません。でも教室では人の目があります。体操着を脱いで、ズボンも脱いでしまっては具合が悪いわけです。
男子の場合も同じです。いきなりパンツ1枚になってしまうと、まわりから敬遠されてしまいます。
どのように着替えているか、一度聞いてみても良いのかもしれません。
着替えの手順まで教えてくれる先生はなかなかいません。
トビラコ店主
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