トビラコへようこそ
~店先で、ちょこっとおしゃべり~
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「〇〇障害」とつくものは、基本的には治らないと思います。
「パニック障害」と私が医師から言われたのが、20年以上前。当時「パニック障害」は、日本ではあまり知られていませんでした。アメリカから輸入された障害名だと思います。「広場恐怖症」などとも言われていました。
症状は人によっていろいろだと思いますが、私の場合は、人混みが恐怖でした。電車に乗ることも、大勢が集まるパーティーのようなところもダメ。特に怖かったのは大きな声を出す人たちがいるところです。最悪は男の人の怒鳴り声です。自分に向けられていなくても、怒鳴り声が聞こえてくるだけで体が凍りつきました。
この話を聞いた仕事仲間から、先日「どうやって克服したのか」と聞かれました。彼女のママ友が「パニック障害で、この障害は治らない」と嘆いているとのこと。私を例に「克服できる」と伝えたかったようです。
私がパニック障害を克服して、仕事をバリバリやっているように見えたといいます。でも、残念ながらママ友の言う「治らない」が正解だと思います。ただ、時間とともに、障害の程度が薄くなったり、対処の仕方を学習して日常生活が送れるようになります。
パニック障害で外に出ることが恐怖だった頃、この先、自分は生きていけるのかと不安でたまりませんでした。でも、人は基本的に「生きる方へ」向かう術を身につけていくものです。
当時のかかりつけ医は、無理に電車に乗る必要はない。でも、この車両なら大丈夫と思えたら乗ってみるといいとアドバイスしてくれました。そんなふうにして少しずつ外に出ることができるようになりました。それでも、恐怖という爆弾をいつも抱えながらではありましたが。
「ここなら大丈夫」「ここまでなら大丈夫」の範囲を少しずつ時間をかけて広げることで、なんとかやってきました。
でも、治ったわけではありません。疲れていると神経が過敏になっていることがわかり、電車には乗りたくないです。大きな声がするとビクッとします。あまりに乗りたくない時はタクシーを使います。
克服したというよりも、障害と上手につきあうことを覚えたわけです。
「克服」という言葉には、とても違和感があります。〇〇障害と呼ばれるものも自分の一部。それは克服したり否定したりすべきものではなく、上手につきあっていくものではないかと思うのです。
仕事仲間のママ友にこのことを伝えてほしいと言いました。でも、きっとママ友には届かないと思います。ママ友は今トンネルの真っ只中にいるでしょうから。
トンネルの入り口や真ん中あたりにいると、先が見えません。私もそうでした。でも、いつの間にか出口の光らしきものが見えてくるようになります。そこに辿り着くには、結構時間がかかります。でも、人は「生きる方へ」と向かうものなので、時間がかかっても見えてくるはずです。
トビラコ店主
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