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『知的障害のある人への心理支援 思春期・青年期における メンタルヘルス』(下山真衣偏著 学苑社)で、「トーキングゲーム」「かえるカード」をご紹介いただきました。
スクールカウンセラーの方が、具体的にどのように活用しているのかがわかり、大変に参考になりました。プロの使い方というのは、ほんとに凄いものだと感心もした次第。
カウンセリングの場で使われる「トーキングゲーム」は、相手が心開いて話し(自己開示)、話を聴く(傾聴)するために使われます。本書では、特別支援学校高等部の男性生徒の実例が掲載されていました。
男子生徒は、現場(職業)実習での遅刻を苦に、教室に入れなくなってしまいました。遅刻の原因は電車の遅延だったのですが、うまく説明できずに教師から注意されたことで、「自分はダメな人間」と思い込み、「就職もできない」と悲観的になりました。
そこで、スクールカウンセラーが支援に入り、別室登校するようになります。カウンセラーが、トーキングゲームの質問カードを会話の手がかりとして活用した様子を著者は次のように述べています。
スクールカウンセラーは、Bくんがまずは安心して学校で過ごせる時間を作り、学校への安心感を高めることを第一目標としました。
(中略)
別室登校では、Bくんは会話への意欲は高く話したいけれど、どのようなことを話題にしたらいいかわからず、いつも同じような質問をスクールカウンセラーにしていました。そこで、スクールカウンセラーは「トーキングゲーム」を用いて会話の手がかりにするようにしました。
(中略)
Bくんはトーキングゲームの質問をきっかけに、今まで話したことのない話題を楽しみ、ゆったりと自分の話をすることで、満足したような表情がみられるようになりました。(『知的障害のある人への心理支援 思春期・青年期における メンタルヘルス』5章 知的障害特別支援学校での生徒のこころとスクールカウンセリングより)
この後、カウンセラーはトーキングゲームをするうちに、Bくんの好きなものを知るようになり一緒にスクラップブックを作ったり、インターネットで検索したりしました。
最終的に、安心感を得たBくんは自分の失敗をうまく消化できるようになったのです。
本書でさすがプロと思ったのは、職場実習の遅刻について、Bくんの気持ちがほぐれたあたりでさりげなく話題にしていることです。話しやすい環境が十分に整った頃に、聞いているのです。そして、遅刻した時の「対処」ではなく、遅刻した時、どのような気持ちだったのかという「感情」に焦点を当てていることです。
その時の感情を吐き出すことで、遅刻した時のネガティブな感情を思い起こす回数が少なくなりました。その結果、登校できるようになり、クラスメートとの関係も良好に。
つい、私たちは、遅刻した時の「対処法」に目を向けがちです。でも、遅刻して絶望的な気持ちになった子の「絶望」には無関心だったりします。対処法を考えるのは後。まず絶望的な気持ちをほぐすことが先だったのです。ただ、この「ほぐす」は、単に「気にすることない」「次頑張ればいい」という単純な言葉掛けではありません。このあたりができるのがカウンセラーの腕なのです。
知的障害のある人へのメンタルヘルスは、これまであまり注目されてこなかったように思います。本書は、とても画期的な本です。カウンセラーの方の強くおすすめします。
トビラコ店主
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