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重度の知的障害の子を育てている人の中には、わが子の最終的な住まいを施設と考えている人がいるかもしれません。自分なきあとは施設で手厚く世話をしてもらえれば安心ですよね。
でも、今後、入所施設の数はそれほど増えないと思います。閉鎖される入所施設もあるかもしれません。
ご存知の方もいるかもしれませんが、国連が定めた障害者権利条約では、すべての障害のある人は障害のない人と同じように地域社会で生活する権利を有し、特定の生活施設で生活する義務を負わない、としています。
どこで、誰と生活するかを選択する権利が、障害のある人にもあるということです。考えたらあたりまえのことです。
これまで重度障害者(知的障害も含む)は最終的には入所施設という「特定の施設」で暮らすことが多かったかもしれません。でも、これからは違います。そもそも、障害のある当事者は、本当に施設で暮らしたいのかどうか。当事者の意志が尊重されているのかどうか。障害者権利条約は、そこを問題としています。
そのうえで、国連は令和4年「緊急時を含む脱施設化に関するガイドライン」として、入所施設を廃止するための指針を公表しました。
日本は国連に加盟し、障害者の権利条約に批准しています。このため、国連からは「施設入所」を終わらせるようにと勧告されています。
ざっくりいうと、施設に入所させるのを(本人の意向と関係なく)あたりまえとするのではなく、地域社会で自立して生活できるようにしましょう。障害者団体と協議しながら必要なリソースを確保できることを国家戦略にしなさいね、ということです。
でも、だからといって、すべての入所施設がなくなるわけではないでしょう。障害者権利条約で最も重要なのは、障害当事者の意志をどれだけ尊重できるかです。
本人が施設のほうが安心できていいというのなら、施設で暮らすこともありでしょう。
あと、大事なことを急いで付け加えると「自立して生活」するといったときの「自立」は、何も自分ですべてをやれるようになることではないと思います。熊谷晋一郎さんの名言にあるように「自立とは依存先を増やす」ことです。
ここで思い出すのは、私の実家の近所に住む重度の障害のある人の暮らしです。
その人は、体のほとんどが不自由で電動車椅子で生活し、言葉もままなりません。「おはようございます」と挨拶をすると、首を少し傾けて、かろうじて挨拶を返してくれます。
団地に住むその人の部屋には、よく人が訪ねてきて、身の回りの世話をしているようです。その人は電動車椅子で近所のお祭りや路上ライブにも車椅子で出かけています。まさにたくさんの依存先を持ちながら、地域で自立して暮らしている人です。
わが子に重度の障害がある場合、親としてすべきは「依存先」を増やすことではないでしょうか。依存先は公的機関はもちろんのこと、近所の人も時に依存先になるでしょう。
先の電動車椅子の人は、私も顔見知りです。その人が、何か助けを求めてくれれば、できることはすると思います。普段の生活を知っているからこそできるのです。
入所施設の話は、全国手をつなぐ育成会連合会『手をつなぐ』http://zen-iku.jp/publish/tsunaguを参考にしています。ご興味のある方はぜひご一読ください。
トビラコ店主
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トビラコ店主が小学館子育てサイトHugKumに執筆しました。
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