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めねぎのうえんのガ・ガ・ガーン(多屋 光孫文・絵 合同出版 2021)は、400年の歴史がある京都のめねぎ農園の常識を、ひとりの特別支援学校の先生と二人の生徒が変えてしまう話です。
めねぎとは、爪楊枝くらい細くて短いネギ。細いネギを束ねてお寿司の上に乗せたり、高級料理のあしらいに使われている高級品。独特の手法で手間暇かけて栽培されています。
そのめねぎ農園に、特別支援学校の先生に連れられて働くようになった二人。農園の社長は、「ほんとうに、働けるのか」と訝しげに二人をみます。
たとえば、めねきをトレーに移す作業は、苗を手で触らないようにして移さなければなりません。微妙な手加減が必要で、これまでは長年の訓練が必要と考えられてきたこの作業は「特別支援学校の生徒には無理」と社長は決めつけます。
ところが、1週間後、先生は下敷き持参し、下敷きで取り分けるようにして苗に触れずに、いとも簡単にトレーに植え込みます。これなら誰でもできます。難しいと思い込んでいた作業がこんなにも簡単にできると知った社長は「ガ・ガ・ガーン」と衝撃をうけます。
特別支援学校の先生というのはつねに、道具を使って「できるようになる」工夫をするのが仕事ですから、下敷きを使えば苗に触れずにて植え込むという柔軟な発想になったのでしょう。
さらに社長の「ガ・ガ・ガーン」は続きます。
トレーを1枚洗うのに1時間かかる生徒に困り果てた社長が先生に相談しました。先生は「ちゃんと洗いなさい」では伝わらないから、手順を具体的に説明するように促しました。すると、手順を充実に守った生徒は、次々とトレーをきれいにして積み上げていきました。そこで、社長は「ちゃんと洗いなさい」という曖昧な伝え方に問題があったことに気づくのです。
草むしりにものすごく時間がかかる生徒に頭を悩ませた社長でしたが、時間がかかっているのではなく、根こそぎきれいに草むしりをしていたのです。そのおかげで、農園はきれいになり虫がよりつかなくなりました。
またまた、衝撃を受けた社長は、「仕事は、はやければいいというものではない」と気づき、さらには、ゆっくりを生かした「むしトレーラー」を発明。すると、農園はますますピカピカになってついには農薬がいらなくなりました。
「しごとにひとをあわせる」のではなく、「ひとにしごとをあわせ」ことが大事と気づいた社長。やがて、「あの農園は働きやすい」と評判になり、障害あるなし関係なく、18歳から85歳までの人たち100人が働くようになりました。
社長が特別支援学校の先生と生徒から気づかされたのは、「しごとができるひとをさがすより はたらきやすいくふうをさがす」でした。
これ、職場づくりに限らず、「人を変えるのではなく、環境を変える」は普遍的なテーマかもしれません。
トビラコ店主
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トビラコ店主が小学館子育てサイトHugKumに執筆しました。
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