発達障害の子のためのアロマ 

発達障害とアロマセラピー(2)

●オキシトシンという安心ホルモン

信頼できる人に触れられると、オキシトシンというホルモンが分泌されます。マッサージは、このオキシトシンの分泌を促すのに有効です。

オキシトシンは、出産時の子宮の収縮を促すホルモンとしてよく知られています。信頼ホルモン、安心ホルモン、幸福ホルモンなどとも呼ばれています。

緊張を強いられている子、情緒が安定しない子にぜひマッサージをおすすめします。発達障害とタッチセラピー研究の第一人者、山口創先生(桜美林大学教授、臨床心理士)によると、マッサージすることでASDの子の血中のオキシトシンが増え、集中力や常同行動(こだわり)が低減し、ADHDの子にはふざける行為や多動傾向が低減したそうです。詳しくは、『aromatopia』2020.no4 vol.29、山口先生の「発達障害とタッチセラピー」をお読みください。

マッサージをすると、見ただけでは気づかない子どもの様子に気づくことができます。

筋肉の緊張の度合い、呼吸の速さ、浅さ、肌の状態、手足の冷たさなどもわかるでしょう。言葉にできない子の体調を文字通り肌を通して知ることができます。

●手をつなげるようになったわけ

触れられることが苦手な子にとって、マッサージはハードルが高いかもしれません。アロママッサージオイルは、オイルが媒介するので、抵抗がやわらぐようです。香りも手助けしてくれます。いい香りに包まれることで、緊張がほぐれます。

アロママッサージオイルでマッサージをするようになってから、母親と手をつなげなかった子がつなげるようになったという話は、よく聞きます。

マッサージする際に、気をつけていただきたいのは、必ず相手の同意を得ることです。嫌がる子に無理やりマッサージをしてしまうと、触られることをますます嫌がるようになります。

●マッサージする側も癒される

マッサージは、される側だけではなく、する側にとってもメリットがあります。前述したように、触れることで安心ホルモンであるオキシトシンが分泌されます。アロママッサージオイルなら、マッサージしながら香りでいやされます。

マッサージはゆっくりゆっくりさするのがコツです。このリズムがマッサージをする側をも落ち着かせてくれます。

マッサージで安心感を得た子は、自分から「マッサージしてあげるよ」と言うようになることがあるそうです。親子のコミュニケーションツールとしても活躍するわけです。

アロママッサージオイルを生活習慣のひとつにしていただければと思います。

*この記事は『aromatopia』2020.no4 vol.29「発達障害児とアロマセラピー」(朱田永真・久保浩子)を参考にしています。

構成・文/tobiraco編集室 撮影/濱津和貴

 

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